キャスト

立ち上がる「声」・演劇の「奇跡」

『フェードル』は、フランスの劇作家ジャン・ラシーヌがギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』から題材を得て創りあげ、1677年1月1日、ブルゴーニュ座で初演。1680年コメディ・フランセーズ(国立劇場) のこけら落としでも上演された、17世紀フランス古典文学の最後を飾る金字塔的な作品です。サラ・ベルナール、ヘレン・ミレンと各国を代表する名女優たちが演じてきました。
悲劇へと向かう女性の姿を描く美しく輝く台詞、神話的世界をもとに表現した抵抗しがたい破滅的激情は、演劇の醍醐味を堪能できる要素が凝縮されています。フランスを代表する哲学者ヴォルテールをして「人間精神を扱った最高傑作」と言わしめた歴史的名作です。
日本では2017年、主演に大竹しのぶを迎え、現代演劇界の重鎮、栗山民也が演出。2013年「ピアフ」でその年の演劇賞を総なめにする快挙を遂げたタッグが「大竹しのぶの新たな代表作を作る」と意欲を持って臨み、実現。演劇評論でも主演・大竹しのぶの圧巻の演技などが評価され、第52回紀伊國屋演劇賞で個人賞を受賞!喝采と大絶賛をもって熱く支持を得ました。その傑作を2021年、キャストもあらたに再演いたします。
境界線

配役

大竹しのぶ
フェードル
( アテネ王妃 テゼの妻 イッポリットの継母 )
林 遣都
イッポリット
( テゼの息子 フェードルと血の繋がりはなし )
瀬戸さおり
アリシー
( アテネ王家の血を引く王女 今は囚われの身 )
谷田 歩
テゼ
( アテネ王 フェードルの夫、イッポリットの父 )
酒向 芳
テラメーヌ
( イッポリットの養育係 )
西岡未央
パノープ
( フェードルの侍女の一人 )
岡崎さつき
イスメーヌ
( アリシーの腹心の女官 )
キムラ緑子
エノーヌ
( フェードルの乳母で相談役 )

ストーリー

舞台は、ギリシャ・ペロポンネソス半島の町トレゼーヌ。行方不明となったアテネ王テゼ(谷田歩)を探すため息子イッポリット(林遣都)は国を出ようとしていた。
一方、テゼの妻フェードル(大竹しのぶ)は病に陥っていた。心配した乳母のエノーヌ(キムラ緑子)が原因をききだすと、夫の面影を残しつつ、夫には失われた若さと高潔さに輝くイッポリットへの想いに身を焦がしていると白状する。
苦しみの末、フェードルは義理の息子に自分の恋心を打ち明ける。しかし、イッポリットの心にあるのはテゼに反逆したアテネ王族の娘アリシー(瀬戸さおり)。イッポリットはフェードルの気持ちを拒絶する。
そんな中、テゼが突然帰還して・・・

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